建材に使われる天然石

50代後半の建築士です。
建材に使われる自然石について述べます。
建材に使用される天然石は大きく花崗岩と大理石に分かれます。
花崗岩はマグマが固まった火成岩の一種で、大理石よりも堅いのが特徴です。
建材として外装・内装どちらにも使われます。
大理石は生物の死骸などが堆積したもので、花崗岩より柔らかく、酸に弱い特徴があります。
したがって現在は外装よりも内装材によく利用されます。
花崗岩はその色身が白いものから赤みを帯びたもの黒までありますが、大理石のような大きな模様が入ったものはありません。
日本で取れる代表的なものが稲田石です。
これは白と灰が混ざった薄いグレーの石です。
屋外の階段などにはよくこの石が使われていました。
現在国産品は高価なため、似たようなみかけの中国産の石がよく使われます。
稲田石に赤みがはいった石が万なり石です。
こちらも稲田石と同様の使い方がなされ、また現在は似た中国産が使われているのも共通です。
濃い色合い花崗岩は外国産が主で、真っ黒のカナディアンブラックや褐色のマホガニーレッドなどが有名です。
それぞれカナダブラジルが産地です。
大理石は花崗岩より色のバラエティが豊富です。
大理石はローマ時代から使われたことでも分かるようにヨーロッパ産が多いのが特徴です。
大理石のなかで最もポピュラーなトラバーチン、イタリアの彫刻にもよく使われる白い大理石カラーラなどが有名です。
その他ベージュ・イエロー・赤・黒と色々な色味の石があります。
建材に利用する場合昔は石を厚くスライスしたものを使っていましたが、現在はなるべく薄くスライスして効率的に利用しています。
外壁・内壁ともに3cmくらいの厚みが主流です。
それから石の固定方法も昔は石の裏にモルタルを詰めた湿式工法が主流でしたが、近年は金物を使って固定し、モルタルを使わない乾式工法が主流です。
石の魅力はなんと言ってもその耐久性にあります。
ローマ時代の建物は大理石でできていたため、酸性雨によって腐食されてしまいました。
しかし10世紀以降の石を使ったヨーロッパの建造物は今なお建材です1000年以上にわたり、存続しているわけです。
そして内装材としての大理石の存在感は他の材料にないものです。
日本でも明治以来の洋風建築には大理石を使ったすばらしい建築があり、現在も保存修復がすすめられています。
皇居のお堀端にある明治生命本館や日本橋の三井本館などの建築は内外装とも石で作られた建築の傑作です。

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